スマートロックを導入してもシリンダー残しがいい理由|おすすめのシリンダーも紹介【法人・賃貸向け】
スマートロックの導入をする場合、「シリンダー」は無くしてもいいのかしら?
というお悩みをお持ち方に、ぜひお読みいただきたい記事です。
賃貸物件にスマートロックを導入し、物理キーレス運用にすることができれば、
- 鍵の紛失リスクをなくす
- 退去時のシリンダー交換をなくす(コスト削減)
といった恩恵を受けることができます。
この場合に少し悩むのが、完全にシリンダーを無くすかどうか、です。
「普段使わないのであれば、いっそのこと無くしてしまってもいいのではないか?」と思われる方も実際にいらっしゃいます。
そうした考え方があると思いますが、私の考えについて結論から申し上げますと、
「シリンダーは残した方がいい」
と思っています。
今回の記事では、賃貸物件の設備としてスマートロックを導入しても、シリンダーを残した方がよいと思う理由や、残す場合のおすすめシリンダーについて紹介します。
- スマートロックの導入をお考えの方
- スマートロック導入時に、シリンダーをどうすべきかお悩みの方
- スマートロックと相性のよいシリンダーを知りたい方
スマートロックを導入してもシリンダーを残した方がよい理由
スマートロックは「電子機器」です。
電子機器である以上、電池切れや故障のリスクはゼロにはできません。
また、場合によっては入居者が何らかの事情で入室できず、現地対応が必要となる可能性もあります。(ICカードなどを室内に置いてきてしまった、解錠用のスマホを紛失した、等)
万一のトラブルが発生した場合に備えて、復旧までの間を暫定的に物理キーで対応できるようにしておくことをおすすめします。
もちろん、「万一の事態」が発生しないよう対策しておくことも重要です。
リスク低減の対策は行いつつ、バックアップ策としてシリンダーを残しておくのが最良だと思います。
【参考】「万一の事態」の発生リスクを低減する参考記事
以下の記事で、スマートロックの電池切れや、締め出し対策に関する参考情報を掲載しております。
いずれにしても、万一の事態の発生リスクを最小限にできるよう、対策をしておきましょう。
スマートロックの電池切れ対策|事前・事後対策で安定運用を実現する【法人向け】
スマートロックの締め出し対策|注意点と対策まとめ【法人向け】
シリンダーを残す場合に注意したいこと
万一の事態が発生した場合、復旧までの時間を要する場合があります。
例えば、故障の場合は代替え機への交換手配~現地対応までに数日かかる場合もあるでしょう。
暫定期間中は、入居者に物理キーを貸し出すことになります。
物理キーを貸し出すことを前提に、複製リスクを抑えられるシリンダーを選定しておくのがおすすめです。
スマートロックとの併用におすすめのシリンダーは?
複製リスクを抑えるという観点で、以下のようなシリンダー(鍵)がおすすめです。
- ディンプルキー
- チェンジキー(リセット可能なシリンダ)
ディンプルキーは複製自体が困難で、チェンジキーは退去時にリセットすることが可能なので複製されても心配ありません。
ディンプルキーとは?
ディンプルキーとは、表面や側面に小さなくぼみが開いている鍵のことです。
一般的な鍵は側面がギザギザした山になっていますが、ディンプルキーは表面に丸い凹凸が見えます。
従来のシリンダーには上下にしかピンが備えられていなかったのですが、ディンプルシリンダーは上下左右斜めにピンがあるなど、非常に複雑な構造になっています。
ピッキングが難しく、防犯性が高い鍵となることに加え、合鍵を作製する際に技術力と専門の機材が必要になります。
ディンプルキーについては、鍵メーカーの多くでラインナップされています。
ディンプルキーも複製が絶対にできないわけではないので、さらにセキュリティを高めるという観点では、認証サービス付きにするのも一案です。
例えば、鍵メーカー最大手の美和ロックは、「あんしん認証プラス」というセキュリティ認証IDシステムを提供しています。
鍵の刻印番号だけではなく、セキュリティ用の認証IDも揃わないと複製ができない
コストは大きくなるものの、セキュリティをとにかく高めたい場合は候補に挙がってくるかと思います。
チェンジキーとは?
チェンジキーは、その名のごとく管理者が解錠用の子鍵を変更できるタイプのシリンダーです。
退去の際には、シリンダー交換はせず、子鍵のみを変更するだけで対応できます。
運用のイメージとしては、
- あらかじめ登録している子鍵Aを入居者に渡す
- 退去時に入居者に渡していた子鍵Aを回収する
- シリンダーに「リセット用の鍵」を差し込んでリセット操作
- シリンダーに「新しい子鍵B」を差し込んで登録操作
- 新しい入居者に子鍵Bを渡す
という流れで、繰り返し運用していきます。
③~④の操作を行うことで、元々登録されていた子鍵Aは使用できなくなります。
opnusさんのこちらの画像がわかりやすいです。
本来、シリンダー交換を行う場合には「シリンダの物品費」+「鍵屋さんの派遣費」が発生するところ、この場合は「新しい子鍵の購入」だけで済むので、退去時コストを抑えることができます。
また、チェンジキーについては鍵メーカー各社がラインナップしています。
もちろん、物理キー使用によるシリンダ消耗や経年劣化はあるので、ずっとシリンダ交換をしなくてもいいというわけではありません。
それでも、スマートロックを導入して普段は物理キーレス運用にすることで、寿命はかなり延ばせることが期待できます。
チェンジキーなら、万一の事態に物理キーを渡しても、退去時にリセットすることで複製リスクを抑えられますね。
私個人的にはディンプルキーよりもチェンジキーがおすすめです。
本記事のまとめ
今回は、「スマートロックを導入した際にシリンダーを残すべきか?」について紹介しました。
- スマートロックは電子機器なので、万一の事態(故障/電池切れ/インキー等)に備えてシリンダーは残すのがおすすめ
- シリンダーは複製リスクも考慮が必要
- シリンダーは複製が困難なディンプルキー(認証サービス付き)か、複製されてもリセット可能なチェンジキーがおすすめ
今回の記事は以上です。
賃貸物件にスマートロックの導入をお考えの方の参考になれば幸いです。